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クレジット過剰与信規制の緩和に反対する会長声明

2019年07月16日



2019年(令和元年)7月10日
広島弁護士会 会長 今井 光 

経済産業省産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会は,クレジットカード等の交付・付与時の過剰与信規制について,①利用限度額10万円以下のクレジットカード等の交付・付与時には,指定信用情報機関への信用情報の照会義務(割賦販売法第30条の2第3項)及び基礎特定信用情報の登録義務(同法第35条の3の56第2項及び第3項)を免除すること,②クレジットカード会社独自の「技術やデータを活用した与信審査方法」を使用する場合には,支払可能見込額調査義務(同法30条の2第1項)を免除すること,③クレジットカード会社独自の「技術やデータを活用した与信審査方法」を使用する場合は,指定信用情報機関への信用情報の照会義務及び基礎特定信用情報の登録義務も免除することなどの規制緩和策を提案し,検討している。
しかし,これらの規制緩和策は,多重債務防止の社会的要請に基づき2008年の割賦販売法改正により導入されたクレジット過剰与信規制の実効性を失わせるおそれがある。
すなわち,利用限度額が10万円以下の与信(以下「少額与信」という)について,指定信用情報機関への信用情報の照会義務や与信情報の登録義務を免除することは,既に他社で多重債務状態にある者も少額与信であればクレジット利用を認めてよいということになる他,複数の少額与信のクレジット利用により多重債務に陥ることを防止することができず,多重債務者の増大につながるおそれが強い。
また,クレジットカード会社独自の「技術やデータを活用した与信審査方法」を使用する場合に支払可能見込額調査義務等の各義務を免除することは,その与信審査方法が支払可能見込額調査の代替手段としての合理性が認められる内容であることが客観的に検証されたものない限り,過剰与信規制の実効性を確保するものとは言えないが,そのような合理性の判断を客観的に検証することは極めて困難である。
現行割賦販売法は,利用限度額30万円以下のクレジットカード等の交付・付与時には,指定信用情報機関への照会により延滞事故の発生や100万円を超えるクレジット債務額等の事情が認められない場合は,支払可能見込額調査義務が免除されるものと規定しており(第30条の2,同施行規則第43条第1項第1号),一定の要件を満たす場合には現在も調査義務は免除されているところ,これを更に緩和すべきではない。
よって,当会は,経済産業省産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会において検討されているクレジット過剰与信の規制緩和策に反対するものである。
以上