総会決議2016.02.24
憲法違反の安保関連法の廃止を求める決議
広島弁護士会
会長 木村 豊
第1 決議の趣旨
当会は,憲法違反の安保関連法の廃止を強く求める。
第2 決議の理由
1 2015(平成27)年9月19日,国会において,安全保障法制に関する法案(自衛隊法,武力攻撃事態対処法,周辺事態法,国際平和維持活動協力法等10の法律を改正する法及び国際平和支援法。以下これらを「安保関連法」という。)が可決され,成立した。
しかし,安保関連法は,集団的自衛権の行使を認め,自衛隊を海外のあらゆる地域へ派遣することを可能とするほか,武力行使を行っている他国軍隊への軍事支援活動は,戦闘現場ではない限り行うことを可能とする等の内容を含んでいる。これは外国で戦争をしている他国軍隊の武力行使に対する積極的協力であり,他国軍隊の武力行使と一体となり当該戦争に参加するに等しいものであって,平和主義を定める憲法第9条に違反する。また,憲法改正手続きを経ることなく立法によって憲法を実質的に変えようとするものであり,立憲主義,国民主権の基本原則にも反するものであるから決して許されない。
2 安保関連法に対しては,成立までの間,多くの憲法学者や市民が立場を超えて反対の声をあげ,全国各地で反対集会やデモ活動が継続的に行われてきた。とりわけ,国会議事堂前でかつてないほど多くの市民が抗議の声をあげたことは広く報道されたところである。そして,安保関連法が成立した現在も,憲法違反との声は鳴り止まず,多くの市民が廃止に向け,様々な活動を展開している。
当会も,2014(平成26)年5月には憲法第9条の政府解釈変更による集団的自衛権行使に反対する総会決議を,2015(平成27)年5月には集団的自衛権の行使等を含む安全保障法制に関する法案に反対する総会決議を行った。また,安保関連法の成立に際しては,これに抗議する会長声明を発した。そのほかにも,安保関連法に関する学習会,シンポジウム,集会,デモ行進,街頭宣伝,意見広告を行うなど安保関連法の違憲性を指摘する活動を行ってきた。安保関連法が成立した後も,安保関連法の廃止を求めるべく,これらの活動に取り組んでいる。
3 今後,安保関連法に基づき,自衛隊が他国軍隊への積極的協力のために戦闘地域に派遣されるようなことがあれば,相手側からの武力行使を誘発するなどし,自衛隊員は,武器を使用して他国の人々を殺傷する立場に追い込まれる。その結果,自衛隊員が人の命を奪い,また命を奪われる事態が生じかねない。先の大戦では,多くの尊い命が奪われたが,安保関連法の施行により,再び同じような悲劇が繰り返されることがあってはならない。
当会は,平和主義,立憲主義,国民主権を守るため,市民とともに,決してあきらめることなく,安保関連法の問題点を指摘し,違憲性を訴え続けることを改めて決意するとともに,安保関連法の廃止を強く求める。
以上
広島弁護士会
会長 木村 豊
第1 決議の趣旨
当会は,憲法違反の安保関連法の廃止を強く求める。
第2 決議の理由
1 2015(平成27)年9月19日,国会において,安全保障法制に関する法案(自衛隊法,武力攻撃事態対処法,周辺事態法,国際平和維持活動協力法等10の法律を改正する法及び国際平和支援法。以下これらを「安保関連法」という。)が可決され,成立した。
しかし,安保関連法は,集団的自衛権の行使を認め,自衛隊を海外のあらゆる地域へ派遣することを可能とするほか,武力行使を行っている他国軍隊への軍事支援活動は,戦闘現場ではない限り行うことを可能とする等の内容を含んでいる。これは外国で戦争をしている他国軍隊の武力行使に対する積極的協力であり,他国軍隊の武力行使と一体となり当該戦争に参加するに等しいものであって,平和主義を定める憲法第9条に違反する。また,憲法改正手続きを経ることなく立法によって憲法を実質的に変えようとするものであり,立憲主義,国民主権の基本原則にも反するものであるから決して許されない。
2 安保関連法に対しては,成立までの間,多くの憲法学者や市民が立場を超えて反対の声をあげ,全国各地で反対集会やデモ活動が継続的に行われてきた。とりわけ,国会議事堂前でかつてないほど多くの市民が抗議の声をあげたことは広く報道されたところである。そして,安保関連法が成立した現在も,憲法違反との声は鳴り止まず,多くの市民が廃止に向け,様々な活動を展開している。
当会も,2014(平成26)年5月には憲法第9条の政府解釈変更による集団的自衛権行使に反対する総会決議を,2015(平成27)年5月には集団的自衛権の行使等を含む安全保障法制に関する法案に反対する総会決議を行った。また,安保関連法の成立に際しては,これに抗議する会長声明を発した。そのほかにも,安保関連法に関する学習会,シンポジウム,集会,デモ行進,街頭宣伝,意見広告を行うなど安保関連法の違憲性を指摘する活動を行ってきた。安保関連法が成立した後も,安保関連法の廃止を求めるべく,これらの活動に取り組んでいる。
3 今後,安保関連法に基づき,自衛隊が他国軍隊への積極的協力のために戦闘地域に派遣されるようなことがあれば,相手側からの武力行使を誘発するなどし,自衛隊員は,武器を使用して他国の人々を殺傷する立場に追い込まれる。その結果,自衛隊員が人の命を奪い,また命を奪われる事態が生じかねない。先の大戦では,多くの尊い命が奪われたが,安保関連法の施行により,再び同じような悲劇が繰り返されることがあってはならない。
当会は,平和主義,立憲主義,国民主権を守るため,市民とともに,決してあきらめることなく,安保関連法の問題点を指摘し,違憲性を訴え続けることを改めて決意するとともに,安保関連法の廃止を強く求める。
以上